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海底の奥深くに眠る石油・天然ガスの探し方
三次元物理探査船「たんさ」の実力

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 クルマやバイクの燃料であるガソリンや石油がどこからくるか知っていますか? 地球の奥深くにあることは多くの人がご存知でしょう。しかし、この広大な地球の具体的にどこの地下に石油があるのか、どうやって探すのでしょう? 知っているようで知らない、石油・天然ガスの探し方を紹介します。

地下に石油があるってどうしてわかるの?

 そもそも石油・天然ガスは、大昔のプランクトンの死がいが長い時間をかけて変化したものだと考えられています。海の底に大量に堆積したプランクトンの死がいが、バクテリアや地熱の働きにより石油・天然ガスに変化したと言われています。

 そうしてできた石油・天然ガスは、地下の特定の場所に溜まることがわかっています。それは石油・天然ガスを通さない地層が地上に向かって凸型に曲がった下の部分。地層が側面から圧力を受けることで曲がりくねり、山形に盛り上がることで背斜構造が作られ、その下に石油・天然ガスが集まります。

 石油・天然ガスが溜まる場所は「トラップ」と呼ばれ、地殻が割れたりずれたりすることで作られる断層付近などにできることもあります。いずれも「石油・天然ガスを通さない地層の下に集まる」という点で仕組みは同じです。

 これらの地下の構造を探すことが、石油・天然ガスを探す上での目印となります。

石油・天(tian)然ガスが溜(liu)まる場所のイメージ

石油・天然ガスが溜まる場所のイメージ

地(di)下の構造を知る方法

 石油・天然ガスが集まる特徴がわかっても、地下の様子を直接見ることはできません。そこで活用されるのが、「物理探査」という方法です。

 物理探査とは、地震波や重力などの物理現象を利用して、掘削することなく地下構造を知る方法です。言葉だけ聞くと「なんだか難しそう」と感じるかもしれません。しかしその仕組みは、妊娠したときにおなかの中を確認する超音波(エコー)検査や自動改札で利用するICカードと同じで、とても身近な存在です。

物理探査の種類

地震探査 人工的に発生させた地震波や音波を使って地下構造を知る方法。地層により地震波や音波が反射する量や速度が異なる現象を利用する。
重力探査 地表の重力から地下構造を知る方法。地下の岩石の種類や岩盤の密度で重力が変化する現象を利用する。
電気・電磁探査 地中に電気を流し、電流と電圧を測ることで地下構造を知る方法。地下の岩石や岩盤の種類で電気の流れやすさが変化する現象を利用する。
磁気探査 地表から磁気の分布や強さを測ることで地下の構造を知る方法。地下の岩石や岩盤、埋設物が発する磁力の差を利用している。
 日本では、国内海域の調査が昭和30年代から進められてきました。その調査で用いられてきたのは、海底面下の地下構造を知るのに適した地震探査です。現在も、2019年にJOGMECが導入した三次元物理探査船「たんさ」が、地震探査を活用した地質調査を進めています。

三次(ci)元物理(li)探(tan)査船「たんさ」の特(te)徴

三次元物(wu)理探査船「たんさ」

 三次元物理探査船「たんさ」は、日本の周辺海域に存在する石油・天然ガス資源の精細なデータを収集するため、旧三次元探査船「資源」に代わり2019年4月に導入されました。日本近海の5万平方キロメートルを10年かけて調査しています。

 「たんさ」の最大の特徴は、船尾で最大幅となる三角形の独特な船の形状です。この形状により、調査に使う数キロにもおよぶケーブルを数多く同時に展開し、データ取得を効率的に行うことができます。同様の理由で、船尾は切り立った形状をしています。
 
上から見た「たんさ」の形状。一般的な船の船首を切り取ったよう
上から見た「たんさ」の形状。一般的な船の船首を切り取ったよう

「たんさ」の資源調査は、3つのステップで行われます。

ステップ1 データ取得

 エアガンと呼ばれる装置から音波を発し、海底面や地層の境界で反射した音波を受振します。6,000メートル~8,100メートルもの調査機器(ストリーマ・ケーブル)を数本、幅900~1,100メートルになるよう船尾から展開し曳航することで、広大な海域のデータを取得します。
 

「たんさ」で行う物理探査の仕組み

ステップ2 データ処理

 調査で得られるデータは潮流や波のうねりといった不要な情報(ノイズ)も含まれます。こうしたノイズを除去し、より正確な情報で地下構造を可視化します。
  • ノイズが混ざった調査データ(左)とノイズを除去したあとのデータ(右)

  • 得(de)られた調(diao)査データにより、地(di)下の構造を可視化する

ステップ3 データ解釈

 処理されたデータを用いて、海底面下の構造や周辺の構造発達史を解釈し、その海域に背斜構造をはじめとする石油・天然ガスが存在しそうな地層がないかを検討します。
 

海底(di)面下の地(di)質(zhi)構造を3Dで再(zai)現し、そのポテンシャルを評(ping)価する

 「たんさ」で得たデータは、民間企業の探鉱、開発に活かされます。このデータをもとに民間企業自らが物理探査や試掘を行い、事業化のための経済性評価を行います。そこで経済性が確認できれば実際に開発・生産へと進みます。「たんさ」でより多くの情報を得ることが、日本のエネルギー資源開発の第一歩となるわけです。

国内海域調査は新時代へ

 昭和30年代から進められてきた、エネルギー資源の新たな発見を目的とした国内海域の調査。2022年度には、JOGMECの新しい事業として、二酸化炭素回収・貯留(CCS)事業のための貯留適地調査という役割が追加されました。

 これはカーボンニュートラル社会の実現に不可欠なCCSの早期実施を目的としたもので、「たんさ」による調査を通じて、CCSに適した地下構造の発見も目指すというものです。CCSの適地は石油・天然ガスが存在する地層と同様、キャップロックがある背斜構造の地形。役割が増えたことで、今後はエネルギー資源とCCSの適地調査を同時に進めることとなります。

 JOGMECは三次元物理探査船「たんさ」による国内海域の調査を通じ、エネルギー資源の安定供給だけでなく、カーボンニュートラルの実現への貢献も目指し、今後も活動していきます。今後のJOGMECの活動にぜひご期待ください。

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